■一年と少し前■
   
「よ、汚されちゃった……」(ぶつぶつ)
「……ふぅ。さて、前回のリミッター問題解決は大きな前進でしたわ♪ 次の問題解決も頼みますよ、バルキリーさん♪」
「――了解した」(こくり)
「あまり彼女ばかりに頼るのは、どうかと思うんだけど」
「無問題ですわ♪ そのためのバルキリーさんですもの。さあ、いよいよ残された中でも最大の問題、『同時行動』関連の解決策を教えてくださいませ!」
「何が問題といって、私自身がどういう問題かわからないことが大問題です(汗)」
「ルール分析――再構築――分析――」
「がんばってください~♪」
「キミは応援するだけかい。しかしこの問題を即座に解くことは、いくらなんでも無理じゃないかなぁ……」
「?」
「どうなさいました? 『箱庭の物語』も資料に必要でしたか?」
「いや、様子がおかしいよ。」
「system error ―― error ―― errrrrr ――」
「ば、バルキリーさん!?」
「だから言っただろう……」(ため息)
「reinstaaaaaaa ――」(ぷつん)
「ば、バルキリーさんーーーーーー!!!」
   
   
  ■一年前■
   
「うわああああん、どうやっても矛盾してしまいますーーー!」
「やっと理解できたかい。無茶を要求したせいで彼女まで止まってしまったじゃないか。しかもキミじゃ、彼女を修復できないって言うし」
「うう、ゾンビに変えてからブッチャーに合体させることならなんとか……」
「どうにもならないね。とりあえず即座に答えられる質問だけでもまとめておくように」
「は、はい……」
「――――」
「……ふぅ。とりあえずボクは、書置きして出て行っちゃったオートマトンを探してくるよ」
「す、すみません……戻って来る時にはできる範囲のことはしておきます……」(しゅん)
「ん。戻ったらちゃんと済ませておくんだよ?」
   
   
  ■そして……■
   
「やれやれ、行動値はボクの方が上なのに、一年もかかってしまうなんて思わなかったよ……」
「ご、ごめんなさい……」
「いいさ、キミとも親密になれたし。バルキリーも起きてるだろう。あの二人で問題は解決し終えて、元通りドールとサヴァントとして戦うことになるかもしれないよ?」(なでなで)
「ん……大丈夫。もう私は負けないから」
   
「さて、戻ったけど……どうだい? 終わってるかな?」
「あっ! コートさん! けっこう解けましたっ!」
「じゃ、アンタ達との馴れ合いもそろそろ終わりってことね……」
「いえ、いっしょに発表しなきゃいけませんし! ルールの矛盾はどうしようもないことがわかりました! 暫定処理を考えたんです!」
「……え?」
「私だけで発表は恥ずかしいですし……バルキリーさん無口ですし。あと、『同時行動』なんかは、どうすれば修正少なく暫定処理できるかわかりませんでしたし……」
「――クイーン、断片的にであっても早く発表した方が効率的と、私は助言した」
「一年何してたの?」
「バルキリーさんをがんばって修復したり、あとコートさんたち待ってました!」
「…………死ねーーーーーっ!!!!」
「ぴぎゃーーーーーっ!!!」
   
「とにかく急いで発表を! 発表できそうなものだけでも!」
「あ、ありえないでしょ! い、急いで! あたしも目通すから!」
「了解。これらになる」





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