「……どうして敵役の私がここにいるのか、疑問なのですけど」
「キミたちに挑むにあたって、どうもルールでよくわからない点があってね。ボクが代表で質問に来たんだよ」
「あら、β版とはいえ、ルールがあるのでしょう? ちきんと読めば問題ないはずでは? おつむの程度が知れますわよ?」
「『ちきんと』じゃないだろう。『きちんと』だ。それに『!』や『?』を多用すると、バカだと思われるよ」
「ご、誤植とはどうしようもないものと、偉い方もおっしゃっていたでしょう! だいたい、初対面の相手にバカだなんて言う方こそバカじゃないですかっ!」
「…………(ボクよりドール向きじゃないかなぁ)」
「どうして、そんな風に目をそらすんですかっ!」
「いや、ボクの顔絵はこれしかないからね。それより、ルールの質問につて答えてほしいんだが」
「くぅ……いいでしょう! ネクロマンサー代理として、その質問、一網打尽にしてさしあげます!」
「一網打尽にしてどうするんだい……」


「じゃぁ、まずひとつめ。アクションタイミングのマニューバは、1ターンに何回でもつかえるのかい?」
「え?それはもちろん、何度でも使えるにきまってます」
「そんなことは書いてないんだが」
「だ、だって、えーと、ほら! P85〜86で、他のは1回ずつって……」
「かといって、アクションが何回でもいいとは読み取れないと思うんだが」
「そんなこと言っても、アクションが1ターンに1回では、私はともかくゾンビやハウンドさんたちにすごく問題が……」
「だったら、ちゃんとわかるように書くべきなんじゃないのかい? あと。P86の1行目にある『ロール』とかいうのは『ジャッジ』のこと?」
「あ」
「あ、じゃないよ。ちゃんと誤植のチェックとかしたの? キミたちサヴァントが担当なんでしょ?」
「あうあう(困)」
「キミが代理にいる意味がなんとなく伺えるなぁ……とにかく、アクションのマニューバは1ターンに何回でも使えるんだね?」
「はひ……つかえましゅ……(半泣)」
「というわけだ。β版で遊んでくれたみんな。アクションタイミングのマニューバは1ターンに何回でも使用できるよ。誤解させたらすまないね」
「えぐえぐ……(泣)」
  公式フォロー役なのに、弱気な悪役である
「傲岸不遜な態度なら撃ってやるつもりだったのに、調子が狂うなぁ」
  質問代理役の分際で、強気な人形である
「キミが一番態度が悪いよ。【アンデッドガン】、対象エリアは1行上で(どごごごごご)」
  ちょ! まtおぶおぼおぼぼおおおお
  (死ーん)
「ネクロマンサーは滅んだ。次の質問に移ろう」
「ひっくひっく」
「まったく、いい加減立ち直りたまえ」


「気を取り直していくよ。質問その2だ。キャラクター作成のところにデータのある、スキルやパーツのリストだが、どこを調べれば内容について載っているんだい? 獲得する時に内容の意味がまるでわからないんだが」
「はい、P85です(おどおど)」
「もうすこし近い方がいいんじゃないかい? みんなわからない可能性が高いよ」
「わ、わかりにくくてごめんなさいぃ、死んでてごめんなさいぃ(めそめそ)」
「まあ製品版では善処してくれ……それより、さっきからアイコンと口調の差が激しくて違和感がすごいんだが」
「うぅぅ……」
「あーほら、泣くんじゃない。これならソロリティかアリスに頼むべきだったな……(なでなで)」
     (小一時間後)
「じゃぁ次の質問だ。タナトスのスキル【殺劇】なんだが、これはアクション以外のタイミングで発生した攻撃にも使えるのか?」
「え、ええと使えます……」
「つまりラピッドで他の姉妹が攻撃を割り込んでくれたり、自身がラピッドで他の姉妹に割り込んでもOKと?」
「い、いえその、正確には『同カウントにおいて、すでに他の姉妹から攻撃対象となった敵を攻撃する際』ですっ」
「どうちがうんだい?」
「え、えと、その、タナトスがラピッドとかで攻撃した後、姉妹が同じ敵を攻撃したからて、時間逆周りでボーナスとか困りますし……たぶんしまいが同じ敵攻撃するだろうって攻撃して、うっかり倒したりしたら修正がきえますし……」
「うんうん、なるほど。わかったよ。他の味方が攻撃した後じゃなきゃダメってことだね(疲れるなぁ)」
「そういうことですっ(あ、怒られなかった……)」


「さらに次の質問に移るよ。判定にプラスの修正や支援がついた場合、出目が1でも大失敗にならないのか?逆を言うと、妨害やマイナス修正があると出目が1じゃなくても大失敗になるのだろうか?」
「ああっ、それはその、出目じゃなくて判定値が正しいです……判定値(修正を加えた数値)が1以下なら大失敗、10以上なら大成功、です」
「つまりプラス修正さえあれば、大失敗は起こらないということか。行動判定大失敗での損傷もおこらない?」
「はいっ、どちらも起こりません」


「(元気になってきたな)次の質問。バトルパートで行動判定したい場合、行動値のコストとかどうすればいいのか、教えてもらおう」
「そ、それはぁ、基本的にアクションタイミングで、その時のネクロマンサーの裁定ということに……」
「敵について何か気づく、何らかの書面などを読み解く、扉を開く、機械を稼動させる、重いものを動かす……などが考えられるがどうなのかな? せめて一例を示してくれてもいいんじゃないか?」
「……敵について気づくかどうか、なんかは戦闘中でしたらいつでも、行動値使わずにさせていいかと」
「書面を読み解く場合は、その書面の内容にもよりますけど……難度や分量で変えるべきじゃないでしょうか。ただ、それを行うと言ったドールには最低でも1点の行動値を減らしてもらうべきと思います。きっとそれは読むことでシナリオや敵の強さが大きく変わるものなのでしょうから」
「扉を開く、はどちらかというと……逃亡判定で自動成功の戦闘、などと考えた方がいい気もするのですけど。戦闘からの離脱がかかっていますし、判定の場合は、3〜4点など、少し重めでいいかもしれません」
「機械を稼動させる、なども同様です。戦闘中にわざわざ稼動させるということは、大きく戦況を変えたりするものなのでしょうし。行動値3〜4点くらいは使っていただきましょう」
「重いものを……というのは難しい問題ですね。ドールは元々筋力が高いですし、【怪力】などのスキルがあればさらに有利なはず。【こぶし】や【かた】のコストをそのまま流用、というのはいかがでしょうか」
「こんなところかと思いますが……」
「へぇ……すごいね!ちゃんと答えられるじゃないか」
「そんなぁ♪ ……って、当然です! サヴァント中最強は伊達じゃありませんっ!(赤面)」
(……困った。かわいいぞ)


「じゃぁ、次だ。攻撃判定に大失敗した際、行動判定のような損傷は発生するのかな?」
「発生しません。サイコロを複数振る方法もありませんし……ただし、1個振っての大失敗でも、自身もしくは射程内の他の姉妹にその攻撃が当たってしまいます。いいことはありませんよ」
「その大失敗では『出目6で命中』らしいけど……どういう意味かな」
「あら……ご、ごめんなさい。正確には『相手は任意の箇所に攻撃を受ける』です。なので、対象になった人に自動命中します。妨害や出目修正能力は関係ありません」
「ま、まぁ製品版では直しておこうよ」
「は、はい……(鬱)」
(空気重いなぁ)


「いよいよ、最後の質問だよ」
「うう、やっと最後ですか」
「えーと。これだね。戦闘中……つまりバトルパートに対話判定はできないのか、だ」
「あ、はい。無理です。【少女】【内緒話】【ボイスエフェクト】などを使わなければ、対話判定はできません」
「つまりボクなんかは、バトルパートでの対話判定は基本的に無理ということかな」
「寵愛を使って、どれかを獲得しないと無理ですね」
「ふぅん……じゃぁ、とりあえず今日はここで終わりだけど。ちょこっと二人だけで対話判定しようか」
「え?」
「ネクロマンサーは滅んだから、もうボクたちと一緒に活動してもいいだろう? 別に義理立てするほどの相手じゃないんだろうし」
「え? え?」
「残念ながらベッドはないけど、場所には困らないし人目もないからね」
「え? え? え?」
「じゃぁ、そういうことで。おっと、明かりを消そうか」
「えええええ〜〜〜っ!?」



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